「宇宙は広い」とは聞いたことがあっても、どのくらい広いのか、頭でわかっても感覚ではなかなかつかめません。国立天文台が開発した無料の宇宙ビューワー「Mitaka(ミタカ)」は、その感覚を体験で教えてくれるソフトウェアです。地上の夜空から出発し、太陽系・銀河系・大規模構造と段階的にズームアウトしながら、宇宙の階層構造を目で見て学べます。

確認日:2026年5月
公式サイトでは Mitaka v1.7.4a(2023年3月24日公開)、Mitaka VR v1.5.1(2019年1月24日公開)が案内されています。対応OSはWindowsのみです。最新版・配布条件は必ず公式ページでご確認ください。

4D2Uプロジェクトとは

Mitakaを理解するには、まずその生みの親である「4D2Uプロジェクト」を知ることが助けになります。4D2Uは「4次元デジタル宇宙(4-Dimensional Digital Universe)」の略です。

国立天文台が進めるこのプロジェクトは、最新の天文観測データや理論モデルをコンピューターで可視化し、誰でも宇宙を「体験」できるようにすることを目指しています。単に画像を見るだけではなく、時間軸(4次元目)を加えて惑星の運動や宇宙の進化を動かして見ることができるのが特徴です。

国立天文台三鷹キャンパス

国立天文台三鷹キャンパスとのつながり

「Mitaka(ミタカ)」という名前は、国立天文台の本部がある東京都三鷹市に由来します。国立天文台三鷹キャンパスには、太陽塔望遠鏡、大赤道儀室、第一赤道儀室など明治・大正・昭和初期から続く歴史的な観測装置が保存されており、現在も研究と教育・公開活動の中心地です。

4D2Uシアターも三鷹キャンパス内にあり、大型スクリーンでMitakaの映像を上映する体験施設として一般公開されています。ソフトウェア「Mitaka」は、このシアターで使われていた映像ツールを個人のパソコンでも使えるよう開発・公開したものです。

Mitakaは無料で個人が使える宇宙ビューワーです。4D2Uシアター(三鷹キャンパス内)では、プロが操作する大型スクリーンの上映体験も楽しめます。

Mitakaとは何か

Mitakaは、最新の観測データや理論モデルを使って、太陽系から観測可能な宇宙の端まで、宇宙の階層構造をリアルタイムに可視化するソフトウェアです。

開発

国立天文台4D2U

4次元デジタル宇宙プロジェクトの主要成果物

価格

無料

公式サイトから無料ダウンロード可能

対応OS

Windows

公式の対応OSはWindowsのみ

最新版

v1.7.4a

2023年3月24日公開(2026年5月確認)

地上の夜空を見ている状態(プラネタリウムモード)から「離陸」すると宇宙空間モードに移行し、地球・月・惑星・太陽系・恒星・銀河系・銀河の大規模構造・宇宙の端まで、ズームを変えながら自由に移動できます。この「ズームアウトで宇宙の階層を体感する」体験が、Mitakaの最大の特徴です。

宇宙のスケール感を先に知ろう

Mitakaを使う前に、宇宙のスケール感を少しだけ頭に入れておくと、ソフトの中で「今自分はどこにいるのか」がずっとわかりやすくなります。

宇宙のスケールは、日常生活の単位(km)ではとても表現しきれないため、天文学では光年(こうねん)AU(天文単位)などの単位を使います。

単位距離の目安身近な例
1 AU(天文単位)約1億5千万 km地球から太陽までの距離
1 光年(ly)約9兆4600億 km光が1年で進む距離(約63,000 AU)
1 パーセク(pc)約3.26 光年天文学でよく使う距離単位
1 kpc(キロパーセク)約3260 光年天の川銀河の内部を表すのに使う
1 Mpc(メガパーセク)約326万 光年銀河間の距離を表すのに使う

光の速さは秒速30万kmです。太陽の光が地球に届くのに約8分かかります。宇宙で一番近い恒星(プロキシマ・ケンタウリ)の光が地球に届くのに4年2ヶ月かかります。Mitakaでそこまでズームアウトすると、この距離感が「見た目」で理解できます。

宇宙の7段階スケール図

Mitakaで体験できる宇宙の7段階スケール ① 地球・地上 直径 約12,700 km プラネタリウムモードで夜空を見る出発点 ② 月・近傍宇宙空間 地球〜月:38万4千 km(光速で約1.3秒) ③ 太陽系 太陽〜海王星:30 AU(光速で約4時間10分) ④ 近傍の恒星 最も近い恒星まで:4.2 光年(光速で4年2ヶ月) ⑤ 天の川銀河(銀河系) 直径:約10万光年 太陽系の位置:中心から約2.6万光年 ⑥ 銀河の大規模構造 銀河フィラメントや空洞(ボイド)が見えてくる規模 ⑦ 観測可能な宇宙の端 宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の球殻 半径:約465億光年 Mitakaでの体験 夜空・星座・日周運動を観察 プラネタリウムモード 地球・月を俯瞰。昼夜の境目を見る 宇宙空間モード 序盤 惑星軌道・衛星・土星の輪が見える ターゲット操作で各惑星へ 太陽近傍の恒星分布が点群で見える 宇宙空間モード 中盤 天の川の円盤構造を外から俯瞰できる 銀河系の全体像がわかる 銀河が糸状・泡状に並ぶ大規模構造 クエーサー分布も表示可能 CMBの球殻が宇宙の「地平線」として現れる 観測可能な宇宙の限界
Mitakaで体験できる宇宙の7段階スケール。地球から出発し、ズームアウトするごとに宇宙の階層を一段ずつ体験できます。右列はMitakaでの具体的な見え方です。

Mitakaで体験できる5つの感動ポイント

Mitakaをはじめて使う方に、特に印象に残りやすい5つの体験を紹介します。ここを目標にすれば、最初のセッションで宇宙の広さを体感できます。

太陽系の全体像
  1. 地球を「外から」見る瞬間
    プラネタリウムモードから離陸してしばらくズームアウトすると、はじめて地球全体が視野に入ります。雲の模様、大陸の形、昼夜の境目(明暗境界線)が一度に見える瞬間は、宇宙飛行士が語る「オーバービュー・エフェクト(宇宙から見た地球を見て価値観が変わる感覚)」を少しだけ体験させてくれます。
  2. 土星の輪を「近く」から見る
    土星をターゲットにして近づくと、写真でよく見る土星の輪がリアルに表示されます。輪の成分(氷の粒)の分布、カッシーニの空隙(輪の隙間)なども確認できます。「土星の輪は思ったより薄い(厚さ数十メートル〜数百m)」という驚きも体験できます。
  3. 太陽系の「本当の広さ」を知る
    太陽系全体が視野に入るまでズームアウトすると、内惑星(水金地火)がひどく密集して見え、木星・土星・天王星・海王星がいかに遠いかがわかります。冥王星の軌道まで含めると、地球は本当に太陽のすぐそばにある小さな点です。
  4. 天の川銀河を「外から」俯瞰する
    さらにズームアウトすると、天の川銀河の円盤構造が現れます。日本で見る天の川は、この円盤を内側から見ているため白い帯に見えます。外から俯瞰してはじめて、天の川が「薄い円盤状の星の集まり」だとわかります。太陽系の位置(中心から約2.6万光年、外側のオリオン腕付近)も確認できます。
  5. 銀河が網の目のように並ぶ「大規模構造」
    さらにズームアウトすると、銀河が糸(フィラメント)状・泡(ボイド)状に集まっている大規模構造が見えてきます。宇宙全体が「スポンジのような構造」をしていることがわかる、Mitakaで最もスケールの大きな体験です。

Mitakaでできること

Mitakaの機能を整理すると、大きく「移動・視点変更」「時間変化」「表示切り替え」「記録・出力」の4つに分けられます。

  • 地上から見た星空を表示:三鷹の空を起点に、方角・時刻を変えて星空を見られます(プラネタリウムモード)。
  • 時間を進める・戻す:日周運動、惑星の運動、地球の自転・公転などを時間の流れで確認できます。
  • 太陽系を移動:地球・月・火星・木星・土星・冥王星などをターゲットにして移動できます。
  • 銀河系・大規模構造を見る:銀河の分布・クエーサー・宇宙マイクロ波背景放射の球殻まで表示できます。
  • 表示を切り替える:惑星の軌道、ラベル、星座線、地形データ、天の川データなどを目的に応じて切り替えられます。
  • VRで体験(Mitaka VR):Oculus Rift/HTC Vive対応のVR版もあり、宇宙空間を立体的に体感できます。
  • スクリーンショット・連番画像出力:画面キャプチャや連番画像出力で教材づくりにも利用できます。
Mitakaの主な機能 移動・視点変更 地球〜宇宙の端まで 自由に移動できる ・ズームイン/アウト ・ターゲット変更 ・視点の回転 ・着陸/離陸 時間変化 時間を動かして 天体の動きを観察 ・日周運動の確認 ・惑星の公転 ・月の満ち欠け ・速度調整可能 表示切り替え 見たい情報を オン/オフできる ・軌道線の表示 ・星座線・ラベル ・地形データ ・天の川表示 記録・出力 学習・授業に 活用できる出力 ・スクリーンショット ・連番画像出力 ・VR対応版あり ・全画面表示
Mitakaの機能は「移動」「時間変化」「表示切り替え」「記録・出力」の4つに大別できます。

ダウンロードと導入

Mitakaは公式サイトから無料でダウンロードできます。インストーラー形式ではなく、ZIPファイルを展開して使うタイプです。展開すると生成された `mitaka.exe` を実行するだけで起動します。

種類特徴おすすめの場面
軽量版標準解像度の天の川・地形データなしまず動作確認したい・PCが古い場合
標準版標準解像度の天の川・地球/月/火星/水星の地形データあり通常はこちら。惑星表面も見たい場合
天の川高解像度版高解像度の天の川・地形データなし天の川の表示を特に重視する場合
  1. 公式ダウンロードページを開く
    利用規定と注意事項を確認します。
  2. 用途に合うZIPをダウンロードする
    迷ったら標準版、軽さ重視なら軽量版から始めましょう。
  3. ZIPファイルを展開する
    任意のフォルダに展開します。ZIPの中身を直接実行しないよう注意。
  4. mitaka.exe を実行する
    初回はデータ読み込みに時間がかかることがあります。
  5. 動作が重ければ設定を調整する
    テクスチャ解像度や表示項目を減らすと改善する場合があります。
32ビット版Windowsの場合
32ビット版Windowsでは mitaka.exe ではなく mitaka32_VC.exe を使います。現在の一般的な64ビットWindowsでは通常の mitaka.exe を使います。

起動して最初に見る画面

Mitakaを起動すると、まず地上から見た夜空が表示されます。これがプラネタリウムモードです。東京・三鷹の空を基準にした星空が表示され、画面をドラッグして方角を変えたり、時刻を進めて星が動く様子を観察したりできます。

そこから「離陸」操作をすると、地球の上空へ移動します。さらにズームアウトすると地球全体、月、惑星の軌道、太陽系、銀河系へと進みます。この宇宙を自由に移動する状態が宇宙空間モードです。

Mitaka公式画面
Mitakaの画面。天体の位置関係や宇宙の構造を、視点を動かしながら確認できます。

マウス操作の基本

最初はマウス操作だけで十分に楽しめます。特に「左ドラッグ」「ホイール」「ホイールボタン」「ダブルクリック」の4つを覚えるだけで、地球から宇宙の果てまで一通り移動できます。

マウス操作ガイド 左ボタン 右ボタン ↑↓ クリック 左ドラッグ 視点・方向を動かす 空を見回す・天体を周回 右ドラッグ / ホイール ズームイン/アウト 地球から離れる・近づく ホイールボタンクリック 離陸・着陸 左ダブルクリック ターゲット変更・地点移動 Shift + ホイールボタン 視線をリセット Shift + 左ドラッグ 見上げ方向を自由に変更 迷ったら「Shift + ホイールボタン」でリセット。プラネタリウムモードへはメニューで着陸。
Mitakaのマウス操作まとめ。左ドラッグ・ホイール・ホイールボタンの3つを覚えれば基本的な宇宙旅行が楽しめます。
操作できること使う場面
左ドラッグ視点・見回す方向を動かす空を見回す、天体の周りを回り込む
右ドラッグ前後 / ホイール回転ズームイン・ズームアウト地球から離れる、惑星へ近づく
ホイールボタン離陸・着陸地上の星空から宇宙空間へ移動する
天体にカーソルを合わせる名前や情報を表示惑星や星の名前を確認したいとき
左ダブルクリックターゲット変更・地点移動惑星を中心に見たいとき
Shift + 左ドラッグ視線方向を自由に変更ターゲットを見ながら見上げ方向を変える
Shift + ホイールボタン視線・ターゲットをリセット向きがわからなくなったとき

キーボード操作の基本

授業や発表での操作にはキーボードが便利です。特に時間操作と離陸・着陸のキーを覚えておくと、実演がスムーズになります。

キー機能ポイント
矢印キー視点を移動(見る方向を変える)左右ドラッグの代わりに使える
Page Up / Page Downズームイン / ズームアウトホイール操作の代わりに使える
S離陸・着陸地上と宇宙空間を切り替え
Tターゲット付近へ移動選んだ天体の近くへ自動移動
4時間を進める押し続けると速くなる
3時間を戻す過去の星空に戻れる
Z + 4時間の刻み幅を長くする惑星の公転を速く見たいとき
Z + 3時間の刻み幅を短くする精密な時刻合わせをしたいとき
Aラベルの表示・非表示画面をすっきりさせたいとき
C画面キャプチャ(capture.png として保存)教材づくりや記録に
Alt + Enter全画面表示の切り替え授業・発表での上映に

宇宙空間モード — ズームアウトの旅

宇宙空間モードでは、天体をターゲットにしてその周りを移動したり、ズームアウトして宇宙の構造をたどったりできます。学習では「今、自分は何を中心に見ているか」を意識するのがポイントです。

  1. 地上から離陸する
    ホイールボタンか Sキー で宇宙へ出ます。高度が上がるにつれ、地平線が丸くなり、地球全体が視野に入ってきます。
  2. 地球全体が見えるまでズームアウトする
    昼夜の境目(明暗境界線)、雲のパターン、大陸の形を確認します。
  3. 月や惑星をターゲットにする
    ラベルにカーソルを合わせてダブルクリック、またはメニューから選びます。
  4. 惑星の軌道を表示して太陽系全体を見る
    地球の大きさに比べて、太陽系がどれほど広いかを確認します。
  5. さらにズームアウトして銀河系へ
    太陽近傍の星の分布、天の川銀河、局部銀河群へと進みます。
  6. 大規模構造まで進む
    銀河分布・クエーサー分布・宇宙マイクロ波背景放射の球殻まで見ると、観測可能な宇宙の全体像がつかめます。
現在地や向きがわからなくなったら、メニューから三鷹に着陸・ターゲット付近へ移動・視線リセット(Shift + ホイールボタン)で立て直せます。

太陽系の旅 — 各天体で見えるもの

Mitakaで太陽系を巡るとき、各天体ごとに見どころがあります。ターゲットを変えながら旅するときの参考にしてください。

太陽観測望遠鏡と太陽系
太陽系の惑星と距離(概略・対数スケール) 太陽 水星 0.4 AU 金星 0.7 AU 地球 1.0 AU 火星 1.5 AU 小惑星帯 木星 5.2 AU 土星 9.5 AU 天王星 19.2 AU 海王星 30 AU ※ 対数スケールのため実際の間隔とは異なります。実際は外惑星間の距離が内惑星よりずっと広い。
太陽系の惑星配置(対数スケール)。Mitakaでは各惑星をターゲットにして近づき、それぞれの見どころを体験できます。
地球
大陸・海・雲の模様を見下ろす。昼夜の境目(明暗境界線)が弓なりに見える。標準版・軽量版どちらでも地形データが表示される。
クレーターだらけの表面が見え、地形データが表示される。地球と月が同時に視野に入る距離感で「月は思ったより遠い」ことがわかる(地球38個分の距離)。
火星
赤みがかった地表、オリンポス山(太陽系最高峰)、バレス・マリネリス(太陽系最大の峡谷)の地形データが表示される。
木星
縞模様と大赤斑が確認できる。ガリレオ衛星(イオ・エウロパ・ガニメデ・カリスト)が木星の周りを公転する様子を時間を進めると観察できる。
土星
Mitakaで最も人気のある天体のひとつ。輪の構造(カッシーニの空隙など)が表示される。見る角度によって輪の見え方が変わる。
冥王星
太陽系の「端」感を体感できる場所。ここから振り返ると太陽は明るい星の一つとして見える。

銀河系と太陽の位置

太陽系をズームアウトし続けると、やがて天の川銀河(銀河系)の全体像が見えてきます。Mitakaでこの視点に到達すると、「天の川の正体」が体感でわかります。

天の川銀河(銀河系)の構造と太陽の位置 銀河中心 超大質量ブラックホール 太陽系の位置 銀河中心から約2.6万光年 オリオン腕 約3万光年 天の川銀河の直径:約10万光年(2000億個以上の恒星) オリオン腕 太陽系が属する腕
天の川銀河(銀河系)の上から見た構造。太陽系は銀河中心から約2.6万光年の「オリオン腕」に位置しています。地上から見る天の川は、この円盤を内側から眺めているため白い帯として見えます。

Mitakaで銀河系をズームアウトして外から見ると、この円盤構造が一目でわかります。日本で見る天の川(白い帯)は、太陽系が銀河の円盤の中にあって、円盤を「横から」眺めているために帯状に見えているのです。

宇宙の果てへ

さらにズームアウトを続けると、銀河系を超えて銀河同士の世界に入ります。

電波望遠鏡と宇宙の大規模構造観測
局部銀河群
天の川銀河・アンドロメダ銀河(M31)・マゼラン雲などが属する銀河の集団。Mitakaではアンドロメダ銀河(地球から約250万光年)を含む局部銀河群が表示されます。
おとめ座銀河団・超銀河団
数百〜数千の銀河が集まる銀河団。さらにズームアウトすると超銀河団が見えてきます。
大規模構造(コスミック・ウェブ)
Mitakaで最もスケールの大きな体験。銀河が糸状(フィラメント)に連なり、その間に銀河がほとんどない空洞(ボイド)が広がる「スポンジ状」の宇宙の構造が見えます。
クエーサー
非常に遠方にある活動的な銀河核。Mitakaではクエーサーの分布を点群として表示できます。これにより「宇宙の深さ」が視覚化されます。
宇宙マイクロ波背景放射(CMB)
Mitakaで最も遠くまでズームアウトすると、宇宙の「地平線」として宇宙マイクロ波背景放射の球殻が表示されます。これは宇宙が誕生してから約38万年後の状態の光で、現在地球から約465億光年の距離にあります。
宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の球殻がMitakaで表示される「宇宙の端」です。これより遠くは現在の技術では観測できません。しかし宇宙はこの球殻よりさらに広がっていると考えられています。

プラネタリウムモードの使い方

プラネタリウムモードは、地上から見た空を学ぶためのモードです。Mitaka起動直後はこのモードになっています。

太陽の年周運動と星空の変化
  • 星空を見回す:左ドラッグで方角を変え、天頂(真上)〜地平線まで見渡せます。
  • 視野を変える:右ドラッグやホイールで望遠〜広角のように見え方を変えます。
  • 時間を進める:4キーや時間ボタンで星の日周運動・季節変化を観察します。
  • 月の動きを見る:時間を数日進めると月の満ち欠けと位置の変化が確認できます。
  • 惑星の動きを見る:時間を数週間〜数ヶ月進めると惑星が星座の間を動く「惑星らしい動き(惑う星)」が確認できます。
  • 別の場所の空を見る:宇宙空間モードで目的地へ移動して着陸すれば、その場所からの星空になります。

授業での活用例

  • 日の入り後の西の空:金星や木星が見える時期を実演
  • 夏の大三角形・冬の大三角形:時刻・季節を変えて星座の移動を観察
  • 月の動きと満ち欠け:1ヶ月分の時間を早送りして観察
  • 北極星と日周運動:北の空を見ながら時間を進めて星の回転を確認

学習・授業でのおすすめルート

Mitakaは自由度が高いので、最初は目的を決めて短いルートをたどると理解しやすくなります。

テーマ見る順番学べること目安時間
宇宙のスケール入門三鷹の空 → 離陸 → 地球 → 月 → 太陽系 → 銀河系地球から銀河までの距離感15〜20分
太陽系の旅地球 → 月 → 火星 → 木星 → 土星 → 海王星惑星の軌道・衛星・土星の輪20〜30分
地球の運動地上の空 → 時間を進める → 離陸 → 地球を見る日周運動・自転・昼夜の関係10〜15分
銀河系の正体太陽近傍の星 → 天の川銀河 → 横から見た銀河系天の川の正体・太陽系の位置15〜20分
宇宙の大規模構造銀河分布 → クエーサー → CMB球殻観測可能な宇宙・大規模構造・138億年の歴史15〜20分

学年別おすすめポイント

小学生向け
プラネタリウムモードで星座を見る → 地球を外から見る → 月に近づく → 土星の輪を見る。「宇宙は広い」という感覚を視覚的に体験することを優先します。
中学生向け
地球の自転・公転、月の満ち欠け、惑星の見え方(内惑星・外惑星の違い)など、理科の授業内容をMitakaで実演すると効果的です。
高校生・大学生向け
銀河系の構造、ハッブルの法則(銀河が遠いほど速く遠ざかる)、宇宙マイクロ波背景放射など、宇宙論の入口まで探れます。

設定と軽量化のヒント

Mitakaが重い・起動しない場合は、まずデータが正しく展開できているかを確認します。そのうえで設定ファイル mitaka.ini を編集すると改善する場合があります。

  • テクスチャ解像度を下げる:地球・惑星の表面テクスチャの解像度を落とします。
  • 天の川表示をオフにする:天の川データは容量が大きいので、不要なら表示をオフにします。
  • 大気表示を切る:地球・火星の大気散乱表示を切ると処理が軽くなります。
  • 遠方銀河を間引く:大規模構造の銀河点群の数を減らします。
  • 軽量版を使う:標準版より軽量版のほうが動作が軽いです。
設定ファイル編集の注意
mitaka.ini は普通のテキストファイルですが、編集前に必ずコピーを保存しておきましょう。Windowsで拡張子が非表示だとファイル名を間違えることがあるため、拡張子を表示してから作業してください。

よくあるつまずき

Q. mitaka.exe が見つかりません。
A. Windowsの設定で拡張子が非表示の場合、mitaka.exemitaka と表示されることがあります。銀河のアイコン、または「種類:アプリケーション」のファイルを探してください。
Q. 起動できません。
A. ZIPの中身をフォルダ構造ごと正しく展開したか確認します。32ビット版Windowsでは mitaka32_VC.exe を試します。グラフィックメモリ不足の場合は軽量版を試すか、テクスチャ解像度を下げてみてください。
Q. 動作が重いです。
A. 軽量版を使う・天の川表示をオフにする・大気表示を切る・mitaka.ini のパフォーマンス設定を調整するなどの方法があります。
Q. 三鷹以外の空を見られますか?
A. 見られます。宇宙空間モードで目的地へ移動してから着陸すると、その地点から見たプラネタリウムモードの空になります。南半球の星座も体験できます。
Q. Macで使えますか?
A. 公式の対応OSはWindowsのみです。FAQではMac版は検討中とされ、Parallels Desktop上での動作報告もありますが環境依存があります。
Q. VR版は誰でも使えますか?
A. Mitaka VR は Oculus Rift CV1 や HTC Vive 向けの版として配布されています。公式ページでは13歳未満の子どものVR体験は控えるよう注意されています。
Q. 4D2Uシアターとどう違いますか?
A. 4D2Uシアター(三鷹キャンパス内)は大型スクリーンでの没入感のある上映体験です。Mitakaはそれを個人PCで体験できるようにしたソフトウェアです。内容や視覚クオリティはシアターのほうが上ですが、自宅・教室でいつでも使えるのがMitakaの強みです。
Q. インターネット接続が必要ですか?
A. 必要ありません。ダウンロードしたファイルをオフラインで使えます。ただし最新版の確認やダウンロードにはインターネットが必要です。

公式リンク