交響詩篇エウレカセブン・ポケットが虹でいっぱい

エウレカセブン概要

2005年4月から2006年4月にかけて約1年間、
毎日放送をキー局にTBS系列でテレビ放送されていたテレビアニメシリーズ

『交響詩篇エウレカセブン』の劇場用アニメーション作品。
制作ボンズ。アニメーション制作をキネマシトラスが担当している。

2008年4月に劇場版アニメ化が決定し、
2009年4月25日に全国テアトル系の映画館にて公開。

2009年6月26日にはBlu-rayDisc、DVD、UMDにて映像ソフトとして発売された。

また日本のアニメーション作品では初のBD-LIVEでの特典映像の配信を行っている。

全国6館と小規模で封切られたものの、公開後2日間の観客動員数は6484人、

興行収入は1049万9200円を記録した。

2009年5月31日時点で動員5万人を突破。

その後、当初の予定より上映館が増え、
2009年6月の時点で16館での拡大上映が発表された。

本作の企画が「アニメ化企画進行中・劇場版 交響詩篇エウレカセブン(仮)」として、
最初期の誌上リリースがあった際、ボンズで制作総指揮をとる

代表取締役社長の南雅彦は「神話」というキーワードを挙げている。

この「神話」にあたる映像に関して、テレビシリーズでは、
本作内でも同じ表紙を持つ書物にジェームズ・フレイザーの

著作名があてられていたが、本作では具体的な著作名は挙げられていない。

しかし、「神話」の存在が物語の展開上、重要な役割を担っている。

クレジットでは神話協力として専門家の小関章ラファエルの起用も観られる。

また本作では、テレビシリーズでシリーズ構成や脚本などを担当した
佐藤大は参加しておらず、京田知己が監督兼ストーリー構成、

脚本を手掛けた事で、京田知己個人の特色がテレビシリーズより
色濃く反映されている。

またテレビシリーズの特色のひとつであったサブカルチャー色は控えめになっている。

企画当初、新作カットを加えたテレビシリーズの総集編を劇場版として
公開する案もあったが、テレビシリーズを再編集した劇場用アニメでありながら、

テレビシリーズの総集編ではない劇場用アニメの制作に挑戦したいという
京田知己の意向から、カット単位で分解したテレビシリーズの映像と、

劇場版新作映像とで再構成し、キャラクターなどは流用しつつも、
テレビシリーズとは別世界の物語として制作されている。

故にテレビシリーズと世界観、人物設定などが異なり、
テレビシリーズで協力関係であった人物が敵対関係、

また血縁関係だった人物が他人となっていたり、
またそれらとは反対に、敵対関係であった人物が協力関係、

他人だった人物が血縁関係になっていたりと異なった形で登場する。

本作品の舞台は、テレビシリーズの最終話にて描かれた、
スカブコーラルの半分が人類との共生の別の可能性を模索する為に旅立った

『別宇宙』(=多元宇宙、パラレルワールド)。

本編中にテレビシリーズとの関係を詳しく説明するシーンはないが、
テレビシリーズの舞台であった惑星が登場するシーンがある。

京田知己によるとイマージュ(=スカブコーラル)が、
自分達が元来いた世界(=テレビシリーズの世界)を、

共生のひとつの成功例として見せたとの事。

キャッチコピー & ストーリー

キャッチコピー

これはレントンとエウレカの、もうひとつの物語―。

どうしようもないこの世界で、それでも僕らは夢を見る―。

ストーリー

これはもうひとつの、レントンとエウレカの物語。

突如、南太平洋に出現した、謎の生命体『イマージュ』と、
人類との間に戦争が始まって、約半世紀もの月日が流れていた。

西暦2054年、人民解放軍第303独立愚連隊の戦闘母艦
月光号に配属された少年兵、レントンの夢はただひとつ、

人民解放軍によって8年前に連れ去られた幼馴染の少女、
エウレカを助け出し、約束の場所である故郷ワルサワに帰ること。

その夢を実現させる為、幼い頃より共に育ったLFO、
ニルヴァーシュに搭乗し戦場に赴く。

軍の“最重要機密”回収作戦の最中、サウスダコタの軍基地にて、
思わぬ形で再会を果たすレントンとエウレカ。

だが再会を喜ぶ間もなく、事態はあらぬ方向へ向かい、
彼らの前に様々な困難が立ちはだかる。

やがてイマージュとの最終決戦の時が近づく中、
レントンとエウレカ、二人は“神話”の真実に迫る。

Psalms of Planets Eureka seveN
good night, sleep tight, young lovers

交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい

初回限定版封入特典

●特典ディスク(50分/メイキング+TVスポット)
●STORYBOARDS 01&02(スタッフ用に配付された絵コンテを復刻)

●ブックレット完全版(40ページ)

ボックスイラストは斉藤恒徳による描き下ろし!
本編ディスクにはBD-LIVE機能を搭載!!

内容&仕様

・時間:117分(本編)+50分(特典)
・映像:1080p/ビスタ(1.78:1)

・音声①:DTS-HD Master Audio/5.1chサラウンド/日本語
・音声②:リニアPCM/2.0chステレオ/日本語

・ディスク:片面2層(Blu-ray Disc)+片面1層(Blu-ray Disc)
・動画圧縮:MPEG-4 AVC

登場人物

レントン・サーストン

声:三瓶由布子
人民解放軍、第303独立愚連隊の14歳の少年兵。

人民解放軍東京杉並幼年学校にて、
KLFとの交感能力の高さからKLF操縦技術において高成績を残し、

特例として新たに配属された。

ワルサワ研究所のイマージュ研究者、
チャールズ・サーストンとレイ・サーストンを両親に持つが、

8年前に謎の大災害「ドーハの悲劇」を起こし、その時に死亡。

幼い頃から希少なKLFの幼生であるニルヴァーシュと暮らしており、
軍所属後もニルヴァーシュの専属KLFライダーとしてコンビを組んでいる。

8年前、人民解放軍に連れ去られてしまい離れ離れとなった幼馴染み、
エウレカを探していたが、軍の作戦行動中に思わぬ形で再会を果たす。

エウレカ・ズィータ

声:名塚佳織
レントンの幼馴染。

幼少時、レントンとニルヴァーシュと共にワルサワ研究所で暮らしていたが、
人民解放軍に突如連れ去られてしまい、

想いを寄せていたレントンとは離れ離れとなってしまう。

その8年後、少年兵となったレントンと思わぬ再会を果たす。

だが、それは単なる幼馴染の再会には留まらない軋轢と
混乱を周囲に生んでいく事となる。

直射日光を浴びる事ができない特殊な体質を持つ。
テレビシリーズの世界のエウレカには無かったラストネームが設定されている。

ホランド・ノヴァク

声:藤原啓治
人民解放軍、

第303独立愚連隊隊長。

デューイ・ソレンスタム少将が独自に設立した独立部隊だが、
傭兵として人民解放軍の作戦に参加している。

だがそれはあくまで真の目的を達成するための手段に過ぎなかった。
天才的な操縦技術を持つKLFライダーで、

超高性能KLFであるデビルフィッシュを操縦すれば正に無敵。

タルホのパートナーでもある。

タルホ・ユーキ

声:根谷美智子
第303独立愚連隊強襲戦闘母艦「月光号」の艦長。

公私共にホランドのパートナーとして彼を支えながら、
共通の目的のために行動している。

艦長として的確な指揮を執り、優れた戦艦運用を行い気丈に振舞うが、
ホランドにも言えないある秘密を抱えている。

ハップ/ストナー/マシュー/ヒルダムーンドギー/ギジェット/ミーシャ/ケンゴウ/ウォズ/ジョブス

声:山口太郎/松本保典/中村彰男/浅野まゆみ/宮野真守/水沢史絵/沢海陽子/大木民夫/チョー/志村知幸
人民解放軍、

第303独立愚連隊隊員。

軍の高官にして「ドーハの悲劇」で多くの難民を救った英雄、
デューイ・ソレンスタム少将が独自に設立した独立部隊だが、

傭兵として人民解放軍の作戦に参加している。

テレビシリーズの世界のビームス夫妻の様に、
軍に所属してはいるがあくまで傭兵のため、隊員は皆軍服などは身に着けていない。

デューイ少将の下、独立部隊として特殊な訓練を受けており、
KLFライダー、操舵士、通信士、砲術士、レーダー士、機関士

などといったそれぞれの担当分野においての専門技術は非常に高い。

レントン以外の隊員皆の総意である目的の為に一丸となって協力、
行動してきたが、“最重要機密”を確保し目的の実現を目の前にして

「神話再生計画」の解釈の相違から、一部の隊員が疑念を抱き、
不協和音が生まれ出す。

ドミニク・ソレル

声:山崎樹範

ワルサワ研究所のレントンの両親の下で働いていたイマージュ研究の教授。
レントンとエウレカを使った“夢の共有”の研究を行っていた。

レントン達に先生として様々な事を教え慕われていたが、
100年に1度だけ“星の粉”が降る時、

虹色に輝き、
どんな願いも叶えるという「雪月花(ゆきつきのはな)」が咲く、

ワルサワの丘を守ってほしいという言葉をレントン達に託して姿を消し、
後に「ドーハの悲劇」の犠牲者となる。

アネモネ

声:小清水亜美(老:榊原良子)

8年前、人民解放軍によって実験体「6号」として拘束されていた桃色の髪の少女。

ワルサワ研究所にてドミニクと出会い、恋に落ちる。

後にドミニクと共に「ドーハの悲劇」に巻き込まれる。

現在はヴォダラ宮の地下シェルターに黒いKLFの幼生、
ジ・エンドと共に幽閉されている。

ドミニクとのある約束を果たす為、子供用の衣服と「新世界神話」という本を準備して、
ある人物たちの来訪を心待ちにしている。

ニルヴァーシュ

声:玉川紗己子
レントンが幼い頃から共に育った希少なKLFの幼生。

人の感情を理解できレントンとエウレカに懐いている。

東京杉並KLF養成所にて急速成長し、8年後にはレントンとの
交感能力の高さから彼専用のKLFとして共に戦場に赴く。

クゼミ・スワイガード

声:大木民夫

人民中央政府、厚生労働大臣。

最終決戦兵器「神の鉄槌」によってもたらされる灰の冬から逃れる為、
宇宙移民船「メガロード」により選ばれし2万の民と共に地球からの脱出を試みる。

ブラヤ・マッティングリー

声:麦人

人民中央政府首相。
「神の鉄槌計画」実行責任者であった人物が殺害された為、

計画の最高責任者として、宇宙移民船「メガロード」には乗船せず地球に残る。

“消費”の快楽を知った人類の原罪を背負うべく、
実行責任者に代わり自ら計画の完遂を試みる。

コーダ・ラベル

声:赤司まり子

人民中央政府、
総務省主席政務次官。

公安部出身であった経緯から「神の鉄槌計画」実行責任者であった
人物の暗殺事件の調査員として行動する。

だがその調査はやがて思わぬ方向に進み、
「ドーハの悲劇」「ネバーランドの子供たち」「ウェンディとピーター」「神話再生計画」といった世界の存続に関わる幾つかのキーワードに辿り着き、

彼女はイマージュの真意に近づく。

マリア

声:小島幸子

コーダ・ラベルの私設秘書官。
コーダと共に「神の鉄槌計画」実行責任者暗殺事件の調査に尽力する。

テレビ版におけるマリア・シュナイダー。

テレビ版とは違いユルゲンスと結婚している。

帽子を取った姿を劇場版で初めて見せた。

ユルゲンス

声:小村哲生

人民中央政府、公安局長。

「神の鉄槌計画」実行責任者暗殺事件の調査に協力する。

杉並幼年軍学校校長

声:青野武

人民解放軍東京杉並幼年学校の校長。

軍の取調べにより、レントンが特例で第303独立愚連隊に配属された後、
大きな事件に巻き込まれた事を知りその身を案じる。

関係は不明だが3人の子供を保護し共に暮らしている。

テレビシリーズの世界ではレントンの祖父だったが、
劇場版の世界ではあくまで校長と生徒の間柄であり全くの他人である。

 
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』